【顎がだるい、ジンジン痛い…】その不調、諦めないで!顎関節症の本当の原因と最新治療法|京都市西京区 佐々木歯科医院
「朝起きると、なんだか顎がだるい…」 「食事のたびに、顎の付け根がジンジン痛い」 「大きく口が開かないから、あくびも思いきりできない」
このようなお悩みを抱えていませんか?
京都市西京区にあります佐々木歯科医院にも、原因のわからない顎の不調や、それに伴う片頭痛、耳が痛いといった症状に長年苦しんでおられる患者様が、藁にもすがる思いで来院されます。
多くの方は「ただの疲れだろう」「ストレスかな」と我慢したり、マッサージなどで一時的にしのいだりしているかもしれません。しかし、その不調、もしかしたら「顎の正しい位置」がズレていることが根本的な原因かもしれません。
こんにちは、佐々木歯科医院で副院長を務めております、佐々木継泰です。
岡山大学名誉教授の山下敦先生は、すべての人は「顎の位置に問題があり症状が出ている人」「症状はないが顎の位置がズレている人」「健全な人」の3つに分けられると述べられています。私が咬み合わせ治療に深く関心を抱くようになったのは、この3つの状態を正確に見分け、本当に苦しんでいる患者様を救える歯科医師でありたい、と思ったことがきっかけです。
今回のブログでは、なぜあなたの顎の不調が治らないのか、そして当院がどのようにしてその原因を突き止め、改善へと導くのか、最新の知見と実際の治療例を交えながら、詳しくお話しさせていただきます。
あなたのその症状、もしかして顎関節症?
まず、顎関節症が引き起こす代表的な症状を確認してみましょう。
- 顎がだるい・重い・疲れる: 特に朝起きた時に感じることが多いです。無意識の食いしばりや歯ぎしりで、顎の筋肉が常に緊張している状態です。
- 顎がジンジン痛い: 口を開け閉めする時や、硬いものを噛んだ時に、顎の関節やこめかみ周辺に痛みが出ます。
- 口が開かない(開口障害): 指が縦に2本入らない、無理に開けようとすると激痛が走る、といった状態です。
- 顎を動かすと音がする(関節雑音): 「カクカク」「ジャリジャリ」といった音がします。痛みがない場合もありますが、関節内部で異常が起きているサインです。
- 片頭痛や肩こり: 顎の筋肉の異常な緊張が、首や肩、頭部の筋肉にまで波及し、慢性的な頭痛や肩こりを引き起こします。
- 耳が痛い・耳鳴り・めまい: 顎関節は耳のすぐ近くにあるため、関節の炎症や筋肉の緊張が耳の症状として現れることも少なくありません。
これらの症状が一つでも当てはまるなら、それは顎関節症のサインかもしれません。そして、その根本には「咬み合わせ」と「顎の位置」の問題が隠れている可能性が非常に高いのです。
なぜ良くならない?「見た目」だけではわからない顎のズレ
顎関節症の治療と聞いて、マウスピース(スプリント)を作った経験のある方もいらっしゃるでしょう。しかし、それでも症状が改善しなかった、というお話もよく伺います。
なぜなら、多くのケースでは「見た目」や「感覚」だけで顎の位置を判断してしまっているからです。実は、顎を動かしているのは顎関節そのものではなく、その周りを取り囲む「筋肉」です。この「筋肉」が本当にリラックスして、最も自然で楽な位置で噛める場所こそが、その人にとっての「本来の顎位」なのです。
ところが、日々の食いしばりやストレス、あるいは過去の歯科治療などが原因で、筋肉が緊張し、下顎が本来あるべき位置から数ミリ単位で後ろや横にズレてしまっている方が非常に多くいらっしゃいます。
このわずかなズレが、顎の筋肉に過剰な負担をかけ続け、顎がだるい、ジンジン痛いといった様々な不調を引き起こす元凶となっているのです。
この「筋肉にとって楽な位置」と「実際に噛んでいる位置」のズレは、肉眼で見るだけでは絶対にわかりません。だからこそ、当院では科学的なデータに基づいた精密な診断を何よりも重視しています。
科学的データで原因を可視化する「K7」と「マイオモニター」
当院では、顎関節症の診断・治療において、「K7 エバリュエーションシステム」と「マイオモニターJ5」という2つの先進的な医療機器を導入しています。これらを用いることで、これまで見えなかった顎の状態を客観的なデータとして捉え、的確な治療計画を立てることが可能になります。
1. 低周波治療器「マイオモニターJ5」
まず治療の前に行うのが、顎周りの筋肉の緊張を徹底的にほぐすことです。長年の癖やズレによって凝り固まった筋肉をリラックスさせなければ、顎本来の楽な位置を知ることはできません。
「マイオモニターJ5」は、ごく微弱な低周波電流を流すことで、顎を動かす筋肉を優しくマッサージし、リラックスさせる専門機器です。約1時間ほどこの機器を使うと、筋肉の緊張が解け、下顎は「筋肉が本来あるべき位置」へと自然に誘導されます。私たちはこの位置を「ニューロマスキュラーポジション(NMP)」と呼んでいます。
2. 歯科用下顎運動測定器「K7 エバリュエーションシステム」
筋肉がリラックスした状態で、いよいよ「K7」の出番です。「K7」は、顎の動きを三次元的に追跡し、記録・分析することができる精密測定器です。
- 下顎の動きの軌跡: 口を開け閉めする際の顎の動きがスムーズか、どこかで引っかかりがないかを精密に追跡します。
- 筋肉の活動状態(筋電図): 顎を動かす筋肉が、左右均等に働いているか、異常な緊張がないかを電気的に測定します。
- 咬み合わせの音: 歯が当たる時の音を分析し、咬み合わせが安定しているかを確認します。
これらのデータを統合することで、「マイオモニター」で得られた筋肉にとって楽な位置(NMP)と、現在の噛み合わせの位置が、前後・左右・上下にどれだけズレているのかを、ミクロン単位で正確に把握することができるのです。
この「K7」による診断があるからこそ、「なんとなく」ではない、科学的根拠に基づいた治療が可能になるのです。
実際の治療例から見る、顎の不調からの解放
言葉だけではイメージが難しいかもしれませんので、当院で実際に治療を受けられた患者様のケースを2つご紹介します。
症例1:『疲れると顎がだるい』40代女性
主訴: 疲労が溜まると顎がだるくなり、奥歯が浮いたように感じる。食いしばりの自覚もある。
初診時の見立て: パッと見ただけでは、下顎が少し左にズレているように見えました。従来の診断であれば、「左にズレているから右に戻しましょう」という治療方針になっていたかもしれません。
「K7」による精密診断: ところが、「マイオモニター」で筋肉をリラックスさせた上で「K7」で測定したところ、驚くべき事実が判明しました。左右のズレはほとんどなく、むしろ現在の噛み合わせの位置が、筋肉にとって楽な位置よりも2.3mmも後方に下がっていたのです。
治療方針と結果: もし見た目の判断だけで下顎を右に動かす治療をしていたら、症状はさらに悪化していたでしょう。データに基づき、私たちは下顎を後方ではなく「前方」に誘導する治療計画を立てました。 まずは「オーソシス」と呼ばれるオーダーメイドのマウスピースを作成し、新しい顎位で生活していただき、顎のだるさなどの症状が改善することを確認しました。その後、矯正治療によって歯並び全体を動かし、下顎が自然に前方の楽な位置で噛めるように誘導しました。 治療後、患者様は長年悩まされていた顎のだるさから解放されただけでなく、下顎が前に出たことで口元の印象が自然になり、とても穏やかな顔つきに変わられました。「本当に楽になりました」と、心から喜んでいただけたことが、私にとっても何よりの喜びです。
症例2:『6年間、矯正しても治らなかった顎のだるさ』20代男性
主訴: 高校時代からの慢性的な顎のだるさ。他院で6年間も矯正治療を続けたが、一向に改善しない。
初診時の見立て: 歯並びは、一見すると非常にきれいに整っていました。しかし、ご本人は「咬み合わせが安定せずイライラする」「無意識に食いしばってしまい、顎がだるい」と深刻に悩んでおられました。
「K7」による精密診断: やはり「マイオモニター」と「K7」で診断したところ、この方も現在の噛み合わせが、筋肉にとって楽な位置から1.3mm後方にズレていることが判明しました。さらに、右側の歯がほとんど噛んでおらず、咬み合わせを調べる薄い紙がスッと抜けてしまうほど不安定な状態でした。おそらく、以前の矯正治療で歯を動かした際に、意図せず下顎が後退するような咬み合わせになってしまったと考えられました。
治療方針と結果: 治療は、下顎を本来の生理的な位置に戻し、その位置でしっかりと噛めるように、歯の形態をコンポジットレジンでわずかに修正するというものでした。 治療後、患者様は「長年の悩みから解放されました。こんなにスッキリするなんて」と大変喜んでくださいました。きれいに並べるだけの矯正ではなく、筋肉と顎の位置という機能的な側面からアプローチしたからこそ、得られた結果です。
未来を見据えて〜お子様の顎の成長と気道の問題〜
ご紹介したように、成人の方でも顎の位置を修正し、症状を劇的に改善させることは可能です。しかし、骨の成長が終わっているため、治療にはどうしても限界が生じる場合があります。
だからこそ、私は今、お子様の顎骨の成長を正しく導く「小児矯正」に力を入れて勉強しています。子どものうちから顎の成長を適切にサポートし、歯列を広げ、舌が正しい位置(スポット)に収まるように導くことで、そもそも顎関節症になりにくい、健全な咬み合わせを育てることができます。
さらに、顎や舌の位置は「気道(空気の通り道)」の広さにも直結します。気道を確保することは、質の良い睡眠や集中力の向上にも繋がり、お子様の健やかな発育にとって非常に重要です。当院では「airway(気道)」という視点も取り入れ、お子様一人ひとりの将来を見据えた治療に取り組んでいきたいと考えています。
終わりに:その不調、一人で抱え込まないでください
顎がだるい、ジンジン痛い、口が開かない、そして原因不明の片頭痛や耳の痛み。これらの症状は、決して「気のせい」や「仕方がないこと」ではありません。
その不調の裏には、あなた自身も気づいていない「顎の位置のズレ」という、明確な原因が隠れているかもしれません。そして、その原因は科学的なデータに基づいて突き止めることができ、適切な治療によって改善する可能性が十分にあります。
もしあなたが今、どこに行っても良くならない顎の不調に悩み、先の見えない不安を感じているのであれば、どうか一人で抱え込まないでください。
京都市西京区の佐々木歯科医院では、今回ご紹介したような先進機器と専門知識を駆使し、あなたの悩みの根本原因を解明するお手伝いができます。まずはお話をお聞かせいただくことから始めさせてください。
私たちは、データに基づいた的確な診断で、あなたが長年の苦しみから解放され、心からの笑顔を取り戻せる日を全力でサポートいたします。
京都市西京区 佐々木歯科医院
副院長 佐々木 継泰