見た目だけじゃない!CAD/CAM冠と自費治療、5年後・10年後の大きな差
こんにちは、佐々木歯科医院 副院長の佐々木継泰です。
虫歯の治療をする時、あるいは昔入れた銀歯をやり直したい時、「白い歯にしたいけれど、費用は抑えたい」と悩まれる方はとても多いです。
最近では、保険診療でも「CAD/CAM(キャドキャム)冠」という白い被せ物が選べるケースが増えてきました。「保険で白くできるなら、それで十分では?」と思われるかもしれません。
しかし、私たち歯科医師がご提案する際には、単に「価格」や「色」だけでなく、「その歯がどれくらい長持ちするか」「全身の健康にどう影響するか」という視点をとても大切にしています。
今回は、患者様からよくご質問いただく「保険のCAD/CAM」と「自費の補綴物(セラミック)」の違いについて、分かりやすくお話しします。
そもそも「CAD/CAM(キャドキャム)」とは?
専門的な言葉ですが、CAD/CAMとは「コンピューターで設計し、機械でブロックを削り出して被せ物を作る技術」のことです。 当院でも、型取りの不快感を解消するために、この最新のシステム(トロフィー)を導入しています。
一般的に患者様が迷われるのは、「保険適用のCAD/CAM冠(ハイブリッドレジン)」と「自費診療のセラミック(e.maxやジルコニア)」の違いについてでしょう。
作り方は似ていても、使われる「素材」が全く異なるため、お口の中での機能には大きな差が生まれます。
決定的な違いは「素材」と「寿命」
1. 保険のCAD/CAM(ハイブリッドレジン)
保険適用で作る白い歯は、プラスチック(レジン)とセラミックを混ぜ合わせた素材です。
メリット: 保険が効くため安価に白い歯が入ります。また、金属アレルギーの心配がありません。
デメリット: 年数が経つと変色しやすく、プラスチックを含んでいるため傷がつきやすいです。その傷に汚れ(プラーク)が溜まりやすく、再び虫歯になるリスクが少し高くなります。また、最低限の機能回復を目的としているため、強度や美しさには制限があります。
2. 自費の補綴物(セラミック・ジルコニアなど)
陶器のような素材(セラミック)や人工ダイヤモンド(ジルコニア)を使用します。
メリット: 透明感があり、天然の歯と見分けがつかないほど美しいです。 表面がツルツルしていて汚れがつきにくいため、虫歯の再発リスクを抑えられます。
デメリット: 保険が効かないため、費用が高額になります。
当院では、特に「e.max press(イーマックスプレス)」という信頼性の高いセラミックスをお勧めすることがあります。これは従来のセラミックスより約3倍の強度がありながら、天然の歯に近い摩耗性を持っているために、噛み合う反対側の歯に対しても優しいという特徴があります。
「全身の健康」から見る選び方
佐々木歯科医院が大切にしているのは、「歯だけでなく全身を考慮したホリスティックな治療」です。 実は、被せ物の選び方は、肩こりや姿勢など、全身のバランスにも関わってくることがあります。
噛み合わせの安定性
保険の素材(レジン)は、使っているうちに徐々にすり減っていきます。これに対し、自費のセラミック(特にe.max)は天然歯に近い強度を持っています。長期間使用しても噛み合わせの高さが変わりにくいことは、顎の位置を正しく保ち、顎関節症や肩こりなどの不調を防ぐことにもつながります。
精密さと適合性
自費診療では、使用する接着剤や型取りの精度にも制限がありません。当院では作製過程において技工士もマイクロスコープ(顕微鏡)を使用し、大変精密な治療を行っています。 歯と被せ物の隙間を極限までなくすことで、細菌の侵入を防ぎ、歯そのものの寿命を延ばすことができるのです。
佐々木歯科医院のこだわり
当院では、患者様に快適に治療を受けていただくために、設備にもこだわっています。
・型取りが苦手な方も安心(トロフィーシステム) 「オエッ」となる型取りが苦手な方のために、お口の中をカメラでスキャンするだけで型取りが完了するシステムを導入しています。
・院内での精密な製作(プログラマットEP) 院内に専用の焼成炉を完備しており、強度と審美性に優れたe.maxの被せ物を、徹底した管理のもとで作製しています。
まとめ
「とりあえず白ければいい」という場合は保険のCAD/CAMも選択肢の一つです。 しかし、「5年後、10年後も健康な自分の歯を残したい」「何度も治療を繰り返したくない」「体に優しい素材を入れたい」とお考えであれば、自費のセラミック治療は、将来の健康への価値ある投資になると考えています。
どちらが良いか迷われている方は、現在の歯の状態やライフスタイルに合わせて最適なプランをご提案しますので、ぜひお気軽にご相談ください。
FAQ(よくある質問)
Q1. 保険の白い歯(CAD/CAM冠)は、どの歯にも入れられますか? A1. 保険のルール上、入れられる歯の場所には制限があります。無理に使用すると割れてしまうこともあるため、噛み合わせの力が強い奥歯などには、強度の高いジルコニアやe.maxをお勧めすることがあります。
Q2. 自費治療の費用の目安はどれくらいですか? A2. 当院の場合、詰め物(インレー)は66,000円、被せ物(クラウン)はe.maxやジルコニアなどの素材によって異なりますが、110,000円〜165,000円(税込)となっております。症状によって変動しますので、まずはカウンセリングでお見積もりをご提示します。
Q3. 銀歯を白くやり直す時に、痛みはありますか? A3. 基本的に麻酔を使用して治療を行いますので、治療中の痛みはほとんどありません。また、当院では型取りの際の不快感を減らすために、カメラでスキャンする「トロフィーシステム」を導入しており、従来の型取りよりも楽に受けていただけます。
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