その頭痛、噛み合わせが原因かもしれません|京都の歯科医師が解説
こんにちは。京都市西京区の佐々木歯科医院、副院長の佐々木継泰です。国際顎頭蓋機能学会の認定医・マスターとして、噛み合わせと顎の機能を専門的に診ています。
「頭痛外来に通っても良くならない」「肩こりがずっと取れない」——そういう方が、実は歯科で改善するケースがあります。意外に思われるかもしれませんが、肩こりの原因の1〜2割は噛み合わせの問題だと言われています。残りの8割は全身の姿勢の不正が原因ですが、噛み合わせ由来のものは歯科で対応できる。
この記事では、噛み合わせと頭痛・肩こりの関係、顎関節症のサイン、そして当院が行っているK7マシンによる科学的な検査と治療の流れをお伝えします。
「頭痛外来に通っても治らない」——歯科に原因があるケース

意外と多い「噛み合わせ由来」の頭痛
頭痛にはさまざまな原因がありますが、内科や頭痛外来で検査しても異常が見つからない。鎮痛剤を飲んで一時的に楽になっても、またすぐ戻る。こういった慢性的な頭痛の中には、噛み合わせの不正が関わっているものがあるんです。
当院にも「むし歯でもないのに歯が痛い」「耳鼻科では異常がないと言われた」という方が来院されます。精密な顎の位置のニューロマスキュラー検査(33,000円・税込、所要時間2.5〜3時間)を受けていただくと、噛み合わせのずれが見つかることが珍しくありません。
噛み合わせ症候群という考え方
噛み合わせに問題があることに伴って起こりやすい症状をまとめて「噛み合わせ症候群」と呼んでいます。具体的には以下のような症状です。
歯がしみる。噛むと歯に違和感や痛みがある。歯茎が下がってきた。くいしばり。歯ぎしり。歯がグラつく。顎がカクカク鳴る。口が開きづらい。顎がだるい、顎が痛い。片頭痛。肩こり。耳鳴り。めまい。寝つき・寝起きが良くない。
これだけ多岐にわたる症状が、噛み合わせ一つから派生しうるというのは、なかなかイメージしにくいかもしれません。しかし顎は頭蓋骨にぶら下がっている構造ですから、顎の位置がずれれば頭部・首・肩の筋肉にも連鎖的に影響が出るのは、解剖学的に考えれば自然なことなんですね。以前の記事「顎関節症と全身の健康」でも、この点について触れています。
噛み合わせと頭痛はどうつながっているのか

顎のずれが筋肉の緊張を生む
もう少し具体的にメカニズムをお話しします。
顎を動かす筋肉にとって、一番楽な位置で噛めるのが理想です。しかし歯並びが原因で、その理想的な位置からずれた場所でしか噛めない状態の方がいます。これを「顎の偏位(ずれ)」と呼びます。
顎の偏位に対する許容範囲は人によって異なります。多少ずれていても筋肉が順応して問題なく過ごせる方もいれば、わずかなずれでも症状が出る方もいる。許容範囲が狭い方や、歯を失うことで偏位が大きくなった方は、噛み合わせ症候群の症状が出やすいです。
顎の筋肉が常に不自然な緊張を強いられると、その緊張は側頭筋(こめかみの筋肉)や僧帽筋(首から肩にかけての筋肉)に波及します。これが慢性的な頭痛や肩こりの原因になっている可能性があるわけです。
もう少し日常的な場面でたとえると、片足に合わない靴を履いて一日中歩くことを想像してみてください。足だけでなく、膝、腰、背中まで痛くなることがありますよね。顎も同じです。ずれた位置で毎日何千回も噛み続ければ、その歪みは顎だけにとどまらず、頭部全体の筋肉バランスに影響を及ぼします。
当院のK7マシンによる検査では、実際に筋電図で筋肉の緊張パターンを可視化できます。「左側の側頭筋が異常に緊張している」「右の咬筋の働きが弱い」——こうした左右差が数値として表示されるので、なぜ頭痛が起きているかの手がかりが得られることが多い。経験や勘だけに頼るのではなく、データで裏づけのある診断を行うこと。それが当院の基本方針です。
下顎後退症との関連
日本人に最も多い不正咬合の一つが下顎後退症です。上顎の歯列が狭い(狭窄歯列)と、下顎は本来噛みたい位置よりも後方でしか噛めません。歯の生え変わる小学生の頃からこの状態で骨が成長してしまうので、大人になっても下顎が後退したまま。
この位置は食いしばりやすく、顎関節症にもなりやすい。当院の矯正症例でも、下顎後退症の治療後に食いしばりや肩こりが改善されたケースを多数経験しています。
たとえば、食いしばりの自覚と顎のだるさ、肩こりに悩んでおられた方のケース。検査の結果、下顎が後退した位置でしか噛めない状態でした。歯列を拡大して顎の筋肉にとって楽な位置で噛めるように矯正した結果、肩こりも消失しました。治療期間2〜3年、費用1,060,950〜1,212,200円(税込・自由診療)でした。
また、開咬(奥歯だけが当たり前歯が噛み合わない状態)と下顎後退症を併発していた方は、くいしばりによる顎のだるさを訴えておられましたが、治療後は症状が改善し、麺類も噛み切れるようになったと喜んでいただけました。歯列矯正の詳細もあわせてご覧ください。
顎関節症のサインを見逃していませんか

3つの段階で進行する顎関節症
日本歯科医師会でも顎関節症は歯科領域の重要な疾患として取り上げられています。顎関節症には3つの代表的な症状があり、軽い段階から重い段階へと進行していきます。
第一段階は「クリック音」。顎を開け閉めする時に「ポキッ」という音がする。これは関節内の軟骨(関節円板)の位置がずれていて、顎の関節の骨が軟骨に乗り上げたり滑り落ちたりする時に鳴る音です。痛みがないので気にしない方が多いのですが、放置すると次の段階に進むことがある。
第二段階は「捻髪音(ねんぱつおん)」。「ジャリジャリ」という音が鳴るようになると、かなり症状が進行しています。軟骨がすり減って、骨と骨がこすれている状態です。
第三段階は「開口障害」。口に指が2本入らない、食事が困難になる。ここまで来ると生活にかなりの支障が出ます。
ここで強調しておきたいのは、開口障害を2〜3ヶ月以上放置してから治療を受けても、治らないことが多いということです。開口障害が出た場合は、少なくとも1週間以内にご来院いただきたい。これは私たちが臨床で繰り返し経験してきたことなんです。
なぜ放置すると治りにくくなるかというと、軟骨の位置がずれたまま固定化してしまうからです。早期に対応すれば、マウスピース(オーソシス)で顎の位置を補正し、軟骨を正しい位置に戻せる可能性がある。しかし時間が経つほど、組織の変性が進んでしまいます。
「少し様子を見よう」と思っているうちに症状が固定化してしまうケースを何度も見てきたからこそ、この点だけは強くお伝えしています。柔らかいものしか食べられない、口を大きく開けられないという状態は、毎日の食事の楽しみを奪ってしまいます。
あなたにこんな症状はありませんか
以下に該当するものがあれば、噛み合わせの問題を疑ってみてください。
朝起きると顎がだるい、こめかみが痛い。食事中に顎が疲れる。あくびをすると顎がカクッと鳴る。片側でばかり噛んでしまう。肩こりや頭痛が鎮痛剤を飲んでも繰り返す。歯ぎしりや食いしばりを指摘されたことがある。
一つでも当てはまる方は、まず噛み合わせの検査を受けてみる価値があります。当院では噛み合わせ相談料7,700円(30分毎・税込)でお話を伺うことができます。
特に多いのは「朝の顎のだるさ」と「慢性的な肩こり」の組み合わせです。就寝中にくいしばりをしている方は、寝ている間中ずっと顎の筋肉に力が入っている状態。朝起きた時点ですでに筋肉が疲れ切っている。それが日中の頭痛や集中力の低下につながっているケースを、私は何人も診てきました。
ご自身では気づいていなくても、歯の表面がすり減っていたり、歯の根元にくさび状の欠損(アブフラクション)があったりすれば、くいしばりのサインかもしれません。歯科検診でそうした所見が見つかった方は、一度噛み合わせの専門的な検査を受けてみてください。
K7マシンで噛み合わせを科学的に「見える化」する

主観ではなく客観的なデータで診断する
当院が噛み合わせ治療で最も大切にしているのは、科学的な検査にもとづく診断です。日高理論と神経筋機構理論(ニューロマスキュラー理論)という2つの咬合理論に基づき、頭部・噛み合わせの計測分析、姿勢分析、顎機能検査を行っています。
その中核を担うのが K7マシン(顎の動きや筋肉の活動を科学的に計測する装置)です。他院ではあまり導入されていない機器ですが、当院ではこの検査なしに噛み合わせ治療は行いません。
K7マシンで何がわかるのか
K7マシンでは主に4つの検査を行います。
1つ目は筋肉の緊張状態の検査(筋電図)。噛み合わせの不正による異常な緊張がないか、筋肉の電気的な活動を計測します。
2つ目は噛み締めた時の筋肉の働き(筋電図)。特定の筋肉の働きが悪くなっていないかを確認します。
3つ目は開閉時のスムーズさ(顎運動の計測)。関節の軟骨のずれや変形がないかがわかります。
4つ目が顎のずれの検査。噛み合わせの不正による顎の偏位がどの方向にどれだけあるかをグラフで示します。
「この位置で噛むと筋肉に偏った負担がかかっている」「顎がこの方向にこれだけずれている」——こういったことが数値で客観的にわかるのは、患者さまにとっても大きな安心材料になっているようです。
患者さまからよく言われるのは、「こんな検査をしてくれる歯科医院は初めてです」ということ。確かにK7マシンを日常的に活用している歯科医院は全国的にも限られています。しかし噛み合わせの問題を正確に診断するためには、こうした客観的なデータが不可欠だと私は考えています。
レントゲンだけでは歯や骨の形はわかっても、筋肉がどう動いているか、顎がどの方向にどれだけずれているかまではわかりません。K7マシンがあることで初めて、筋肉と関節と歯の「三位一体」の診断ができるんです。
検査・資料採得・診断料は33,000円(所要時間2.5〜3時間・税込)です。
当院の噛み合わせ治療の流れ

ステップ1: 初診問診と検査
まずは注意深い問診を行います。症状がいつ頃から始まったか、どのような時にどの程度出てくるか、どのくらい続くのか。問診だけでも、噛み合わせの問題からどのような症状が起きているか、おおよその見当がつくことが多いです。
問診後に歯型を取り、次回のK7検査の準備をします。この段階で大まかな見通しをお伝えすることもできますが、正確な診断のためにはK7マシンによるデータが必要ですので、まずは検査を受けていただくことをお勧めしています。
ステップ2: K7マシンによる一連の検査
前述の4つの検査を行い、科学的なデータにもとづいて診断します。検査結果によってはマウスピース(オーソシス)の製作に進みます。
ステップ3: マウスピース(オーソシス)治療
当院で使用しているオーソシスは、透明のアクリル製で上顎に装着するものです。K7で診断した「正しい顎の位置」で噛み合わせができるように、下の歯に合わせた噛み合わせが表面に彫刻されている。つまりこのマウスピースを入れて噛むだけで、自然に正しい位置で噛めるという仕組みなんです。
最初の2週間は食事の時以外、就寝時を含めて17時間以上の装着をお願いしています。1ヶ月後にK7の再検査を行い、正しい顎の位置に変化が出ている場合はオーソシスの噛み合わせ部分を修正(リサーフェイス)します。通常1〜3回程度の修正が必要になります。
ステップ4: 必要に応じて矯正またはセラミック修復
オーソシスを装着している間は症状が改善しても、外すとまた戻ってしまう方がいらっしゃいます。その場合は、歯列矯正またはセラミック修復で噛み合わせを恒久的に改善する治療に進みます。
矯正は歯に虫歯やかぶせ物がなく、自然の歯がほぼ揃っている方にお勧めです。セラミック修復は、すでに不良なかぶせ物が入っている方に向いていて、噛み合わせの改善と歯の治療を同時に行えます。通常、下の奥歯の左右8本にかぶせ物を入れることで顎の位置を改善でき、1〜3ヶ月と比較的短期間で完了することが可能です。
どちらの方法が適しているかは、お口の状態や既存の治療の状況によって異なります。カウンセリングで両方の選択肢をご説明し、費用やスケジュールも含めて一緒に検討していきます。
当院はホリスティック(全人的)な歯科治療を大切にしており、お口の中だけでなく全身のバランスを考慮した治療を行っています。当院には歯科医として日本で初めてホメオパシーの資格(ホメオパス)を取得した女性歯科医師も在籍しており、体に優しい治療を多角的に提供しています。厚生労働省 e-ヘルスネットでも口腔の健康と全身の健康の関連が示されていますが、噛み合わせ治療はまさにその接点にある分野だと感じています。
よくある質問

Q. 噛み合わせが原因の頭痛かどうか、どうすればわかりますか?
A. ご自身で判断するのは難しいと思いますので、まずは噛み合わせの相談(7,700円/30分・税込)にお越しいただき、問診で症状の経緯を詳しくお聞きします。その段階で噛み合わせの問題が疑われれば、K7マシンによる精密検査(33,000円・税込)をご案内します。検査結果を数値でお見せしながら、噛み合わせが原因かどうかをお伝えできます。
Q. K7マシンの検査は痛いですか?時間はどのくらいかかりますか?
A. 痛みはありません。センサーを顔に貼り付けて、顎を動かしたり噛み締めたりしていただくだけです。検査・資料採得・診断を合わせて2.5〜3時間ほどお時間をいただいています。
Q. マウスピース(オーソシス)はどのくらいの期間使いますか?
A. 症状の程度によりますが、通常数ヶ月は装着していただきます。最初の2週間は食事以外の時間(17時間以上)の装着をお願いしていますが、透明のアクリル製なので見た目はそれほど気にならないという方がほとんどです。1ヶ月後にK7で再検査を行い、顎の位置に変化が出ていればオーソシスの噛み合わせ面を修正(リサーフェイス)します。この修正は通常1〜3回必要になります。
その後は就寝時のみの装着に移行することが多いです。オーソシスだけで十分に改善される方もいれば、矯正やセラミック修復に進む方もいらっしゃいます。
Q. 顎がカクカク鳴りますが、痛みはありません。受診すべきでしょうか?
A. クリック音(ポキッという音)は痛みがなくても、関節内の軟骨がずれているサインです。放置すると軟骨のずれが大きくなり、捻髪音(ジャリジャリという骨同士がこすれる音)に進行し、やがて開口障害(口が開かなくなる状態)につながる可能性がある。クリック音の段階では「様子を見よう」と思いがちですが、この段階で一度検査を受けていただくのが理想です。軟骨のずれが小さいうちなら、マウスピース(オーソシス)で改善できる見込みが高い。特に開口障害が出た場合は、組織の変性が進む前に1週間以内の来院をお勧めしています。
Q. 矯正治療と噛み合わせ治療は別のものですか?
A. 当院では密接に関連しています。歯並びの問題が噛み合わせのずれを引き起こしていることが多いため、噛み合わせ治療の最終段階として矯正を行うケースがあります。以前の記事「全身を整える矯正」でもお伝えしましたが、当院の矯正は顎の位置から整えるアプローチをとっています。矯正基本料金は825,000円(税込)で、総額の目安は1,060,950〜1,212,200円程度です。
一方、セラミック修復で噛み合わせを改善する場合は、治療期間が1〜3ヶ月と比較的短期間で済むことがあります。既に不良なかぶせ物が入っている方には、噛み合わせの改善と歯の治療を同時に行えるため、一石二鳥と言えるかもしれません。セラミッククラウンの費用は、臼歯で110,000〜165,000円(税込)です。
どちらが適しているかは、患者さまのお口の状態と生活スタイルに合わせてご提案しています。桂駅周辺や西京区にお住まいの方で、慢性的な頭痛や肩こりにお悩みの方は、ぜひ一度噛み合わせの検査を受けてみてください。
まとめ——「まさか歯科で」という発見が、暮らしを変えることがある

慢性的な頭痛や肩こりの原因が噛み合わせにあるなんて、ほとんどの方はご存じないと思います。私も患者さまから「まさか歯科で治るとは思わなかった」と言われることが何度もあります。
京都市西京区の佐々木歯科医院では、K7マシンによる科学的な計測にもとづいて、噛み合わせの問題を「見える化」し、一人ひとりに合った治療をご提案しています。阪急桂駅東口から徒歩16分、JR桂川駅からバスで徒歩15分の場所です。
西京区には住宅地が多く、桂駅や洛西口周辺にお住まいの方からのご相談が増えています。頭痛や肩こりでお悩みの方、顎のだるさが気になっている方は、まずは噛み合わせ相談(7,700円/30分・税込)にお越しください。
「自分の頭痛は噛み合わせが関係しているのだろうか」——その疑問を確かめるだけでも、一歩踏み出す価値があるかもしれません。当院の副院長は歯科医師向けのセミナー講師も務めている噛み合わせの専門家です。安心してご相談ください。担当歯科医師のプロフィールもぜひご覧ください。
治療についての重要事項
- 治療内容: 噛み合わせ治療(顎位の診断にもとづき、噛み合わせのバランスを改善する治療)
- 費用: 噛み合わせ相談料7,700円(30分毎)、検査・診断料33,000円(税込・自由診療のため保険適用外)
- 治療期間・回数の目安: 症状により異なります(数ヶ月〜1年程度)
- リスク・副作用: 治療初期に噛み合わせの変化により違和感が生じる場合があります。治療効果には個人差があります。
- ※自由診療は公的医療保険が適用されない診療です。
- ※治療効果には個人差があります。
佐々木歯科医院
副院長 佐々木 継泰
- 国際顎頭蓋機能学会 日本部会 認定医
- 国際顎頭蓋機能学会 マスター
- 京都歯科医療技術専門学校 運営委員
- 京都市立大枝小学校 学校医
075-391-1460